半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『東京どこに住む?』

読み切っていない本を忘却の彼方に葬り去るのには気が引ける。
なので、Kindleの読みかけの本をずっとiPadのダウンロード済入れていると、耐え難いほど動作が重くなってきた。
とりあえず今読んでいない積読の本を書棚に出していたら、溢れてきた、みたいな感じだ。

なので、古いやつを整理して今読んでいるが、なかなか面白い。
コロナ禍前のこれ。
コロナ禍前、東京に頻繁に出張に行っていた頃は、なんなら東京のマンションでも買ってやろうか、とでも思っていた時があった。
そんな時に東京の住宅事情を理解するために買ったような気がする。

社会学的な話。
東京東側の成立過程と西側の住宅地の成立過程、文化の分断などの話。
昨今の世界全体の都市事情、コンパクトシティ化による皇居5km圏内への人口の再流入の話。

・東京の西側に住んでいる人たちはスカイツリーに興味をもっていない
・東側の下町と、山手の住宅地の差異
・中央線がなんか苦手 「働かなくても許される雰囲気が嫌い?」 「中央線中華思想
・しかし過去は、完全に階級によって分断されていた


・東京は中心にある5-6区とそれ以外で分けた方がしっくりくる
・「閑静な住宅街」 「陽」と「陰」
・日本人の平均生涯移動回数は4-5であるが、先進国ではかなり少ない(アメリカは4倍くらい)
・都市の規模が二倍になると給与は10パーセント増えるが、物価は16パーセント高くなる
田中角栄の国土改造計画(地方分散奨励)。しかし地方創生は実質ばらまき
・人は近くにいると「互いに学び合う」。「他人の近くにいること」で得られる効用は「頭がよくなる」こと。
アルビン・トフラーの都市予測はみごとに外れた

このまえ「田舎はいやらしい」という本を読んだが、
都市計画、国土計画の常識が、まだまだ僕には足りないな。

参考:

halfboileddoc.hatenablog.com
都市生活の果ての、独居老人スタイル。

halfboileddoc.hatenablog.com
これは、同じ「都市」を社会学的にで切り取るのではなく「地理」で切り取ったらこうなる。

halfboileddoc.hatenablog.com
又吉の文章による東京の風景素描。これはこれで、一つの都市生活の様相がよくわかる。

halfboileddoc.hatenablog.com
具体的な都市生活というよりは近代都市生活について、みたいな話だとは思う。