半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

A.ビアス『悪魔の辞典』

悪魔の辞典 (角川文庫)

悪魔の辞典 (角川文庫)

 古本屋で購入。これも中学生くらいの時にはじめて読んだ。どうも最近、昔読んだ本へ回帰願望が高まっている気がする。多分新しい本棚を買ったからだ。そして古本屋に行ったからだ。

 今では沢山二番煎ざれている、ご先祖様のようなものですが、読み返すと、昔感じたほどの切れ味は感じられないんだなあ。同じ形態なら、芥川の『朱儒の言葉』の方が僕は肌があうし、単にシニシズムならもっと年代を遡って『ラシュフーコー箴言集』の方が好み。

 こうしてみると、こういう皮肉集も、歴史を通じたオールタイムベストをみると、意外と競争が激しいもんだと思う。現代だって、芸能界/Web界/文筆業界のどこにでも、毒舌で世を渡っていこうとしている有象無象達はいるが、このジャンルは昔から驚くほどレベルが高いことをお忘れなきよう。

 辞典形式をとっているので単語→意味という流れなんですけれども、単語難しすぎ(特に宗教関係)。受験生だった昔は、これでいくつか難単語を憶えた記憶があります。
 あと、詩は全般的にイマイチ。訳がイマイチなんだろうか。