コンテンポラリー・トロンボニストであるお二人の二大競演。
曲目も殆どがスタンダードで、リズムもオーソドックスである。まるで「ほら、俺たち逃げも隠れもせえへんで、コピーできるもんならしてみんさい」みたいな感じが漂う。
テクニックは当然すごい。いやんなるほどすごい。トロンボーンでここまで出来るのか…と瞠目するほどすごい。
だが、Jim Pughさんに関しては「相手にあわせてあげた」感がちょっと漂う。「へーボクはこんな感じなんだ、じゃあ僕もあわせていつもよりちょっと多めに吹いてあげるね」みたいな。それとも挑発にのせられたのか。ポップスのアルバムとかで時折吹いている音数を抑えたソロの方が僕は好きだな。
一緒に聴いていた非ジャズリスナーには
「……ちょっと、これ…気分悪くなってきた……換えて…」
といわれてしまいました。
多分、草とかに聴かせても成長がちょっと遅れそう。
トロンボーンという楽器において、バップイディオムでここまで完成したプレイを聴かせる人達はそういない。だが、いまどきこれはないよな。なんだか、これだけのテクニックを向けるベクトルが今一つ納得できないのである。
大学生になっても未だに高校受験の模試とか受けて、高得点を出している人のようである。そういう人は塾の講師になるしかないのだ。