お盆の混雑の中、TSUTAYAにてレンタル。実は私、お恥ずかしながらこれ見るの初めてなんですけど。
すっ、すげー。なんだこれ。
あのいしいひさいちのタッチのままで、完璧に立体にして動かしている。二次元のペラペラ感など、微塵もなし。微妙に回り込んだりする時もあのいしいひさいちのゆるい描線を保ったままで、完璧に3D化している。
技術的に凄いという話は聞いていましたが、これほどのモノだったとは。
はっきりいって感動です。
そういう意味で、ジブリのスタッフは「いしいひさいちの漫画を完全にアニメーション化する」という命題に関しては100%、いや150%以上で成功している。
だが、そもそもなぜいしいひさいちの漫画をアニメーション化しなければいけなかったのか?
そもそもの立脚点に、やはり無用感がつきまとう。
なぜ「そうしなければいけない」と思いこんでしまったんだろうか?
冒頭の結婚式のところでのスピーチで出てくるアニメーションが一番凄い。あれは、ほんとうにすごいぞ。鼻血がでるかと思った。その後、技術的には底をついたような印象が拭えないのが残念なところではある。技術的なクライマックスが後半にあればね。まぁ、技術じゃないんだけどさ。でも冒頭30分で予算を使い果たすっていうのは「ユニバーサル・ソルジャー」のようなB級SF映画と同じで、かっこわるいのだ。
でも、この作品を踏み台にして、ガブリエル・バンサンの絵本のアニメ化が出来ないだろうか。アンジュールとか。もしあれが完璧にアニメ化出来たら、ジャパニメーションに対する評価もまたさらに上向くと思う。
それから、矢野顕子のピアノと唄はいいです。とてもいい。