なんか、ここまで今の時代を追ってる漫画は、咀嚼が難しいわね。
向井ゆうきはゲイである。 それは彼のクラスでは、周知の事実であった。 彼に理解を示す友人もいる一方で、黒い感情に包まれる者たちもいる……。 友達。恋人。同級生。 でも、言えない気持ちは、みんな、みんな、たくさんある。 大人気WEB漫画が加筆修正のうえ、描き下ろしを加えて上下巻同時発売!
なんか「この漫画がすごい!」的なやつで紹介されていたので読んでみた。
高校生の群像劇。
SNS、LGBT、スクールカースト…
2020年代らしい世相。
スクールカーストの上の辺の男子、向井くん。
でもその向井くんはゲイ。
スクールカースト上位陣なおかつスポーツマンだけどゲイで人気者の向井くん。
それに対し、アンビバレンツな感情をもつカミングアウトしていない陰キャのゲイ。
インセルのゲイ。
ルッキズム。
ヘテロでアンチゲイの友人。
登場人物すべてが、ステレオタイプから微妙にツボを外した人物造形。
さまざまな力動線が複雑に交錯し、なんとなく終幕にむかう。
割と爽やかな絵柄だけど、心象風景はかなり複雑でドロドロしていた。
うーん。多分今の若者の緊密な人間関係って、SNSがある分、全くオフタイムというのがなく、息詰まる関係性なんでしょうなあ。
向井くんの周りでいろいろな事件が起こるわけだけれど、当の向井くんは、屈託のない(絶妙に薄っぺらい)人格であるのも、ある程度リアル。