なんとなくAmazonのオススメでオススメられていたので購入。
人間の特異な才能としては、たとえば機械的な図表を見るだけで想像力を際限なく膨らまして、ストーリーを作り上げることができるというのがある。
古くは、中東の羊飼い達が夜空を眺め、そこに星座という一大神話体系を見出した、なんていうのもある。
そんな大きい話じゃなく、時刻表をじっくりと眺めて作る鉄道トリックなんてのもある。西村京太郎とか鉄道ミステリー多いよね。
それに近いおもむきで、この作品では、建物図面から推理が始まる。
一見普通にみえる建物図面に存在する違和感。それを解き明かしていくにつれ恐ろしい現実が浮かび上がるのだった……
みたいな話。途中から少し動きはあるが、基本的には「安楽椅子探偵」よろしく図面とにらめっこで話はすすむ。
なかなかおもしろかったけども、まあこれは、答えを先に作ってから図面を作るのとはそんなに難しくはないような気がした。
ちょっとバックグラウンドのストーリーが荒唐無稽すぎるので、荒唐無稽感が先に立つ。
設計士がみたことある面白い図面、ということで15例あげられている。
これも、クスりという面白さはあれど、どちらかといえば笑うというより、嗤うって感じ。
「こんな設計、馬鹿じゃね?」ってやつなので、正直に言えば、あまりここちよい笑いではない。
以前とりあげた「クソ物件オブ・ザ・イヤー」とかのほうが、シンプルに笑える。
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