半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『世界の危険思想』『Gonzales in New York』

オススメ度 70点

世界の危険思想 悪いやつらの頭の中 (光文社新書)

世界の危険思想 悪いやつらの頭の中 (光文社新書)


クレイジージャーニーで有名だそうなゴンザレス丸山。
(だが、いまちょっと知ったかぶりをした。
 僕は見ていないのでなんとも言えない。)


安全な日本に住んでいる僕ら日本人は、自分たちの考えが標準だと思っている。
が、日本は、世界の平均からしても特別に安全な場所だ。
危ない場所では、人々はどう考えているのか?というのを書いた本。
世界の危険地帯を取材する丸山ならではの観点であるが。

本でとりあげられているのは、殺人を職業としている「殺し屋」、スラムでの生活、裏社会での掟。
などなど。

あくまで私なりの結論だが、相手を「甘い」と思って「ナメる」ことである。これこそが人類の持つ感情の中で最悪におそろしい危険思想だと思っている

相手に対する敬意のなさがあれば、悪意は突然生まれ容赦ない行動が実行される。
単純に総括するとそういうことらしい。

例えばフィリピンで交通事故ではねてしまうと、死亡事故なら20-30万くらいの罰金になる。
が、怪我をして場合は、後遺障害とか休業補償とかいろいろがかかる場合は、むしろお金がかかってしまう……
 ならばと、とどめをさしてしまった方がええわな、とハネ直すこともあるのだとか。こわー。

裏社会の掟は「ナワバリ」「ボスへの忠誠」「アンチ警察」。
 ナワバリは、自分たちのテリトリーでもあるが、逆にナワバリから出て就職や進学も難しいらしい。

あと、ここ最近麻薬については、営利目的の麻薬ビジネスへの規制以外は、罰則が世界的に軽減化しつつあること(大麻マリファナの規制はどちらかというと緩和している)、また、世界で人権に対する考え方も、ゆらいできている。難民が多すぎて、自己犠牲にも限界があるとヨーロッパの人たちは考えるようになりつつある。など、日本ではうかがえないことも多かった。

ただ、一般化・抽象化仕切れていない雰囲気はあった。

Gonzales New York

GONZALES IN NEW YORK

GONZALES IN NEW YORK

これはニューヨークの身辺雑記。
アンダーグラウンドの情報が多いが、NYCでの生の生活の端々が味わえる本だ。
なんといってもニューヨークは、まあ世界の中心、といえるわね。

東京に住んでいる人たちが、上京気分で行ける都市は、今世界にどれだけあるだろうか?

大江千里のNY生活の本にもかさなるところがある。
halfboileddoc.hatenablog.com
こちらは、もう少し穏やかな日々なのだけれど。