半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『読書する人だけがたどりつける場所』齋藤孝

オススメ度 60点
コペル君につられてもうた度 100点

基本的に、読書が有用であることは、僕は知り尽くしているつもりだ。
1日に1読書記事を掲載していることからもわかる通り、僕はむしろ濫読派。
食事でいえば、過食症に近い、過読症というやつだ。

なので、こういう「読書はいいですよ」という記事については、「ま、そうですよね」と思ってします。
反論なし。

読みやすく、本の効用を説いている本。

(論旨)
・現代人は、SNSとかもあるし、「読む」量はむしろだいぶ増えている。
・現代人のアテンション・スパン(一つのことに集中できる時間)は8秒。2000年には12秒だった。今や金魚の9秒より短いらしい。
・読書は「深み」をつくる。幅広い教養が、人生を面白くする。

で、いろんな視点、
たとえば、「思考力を高めるX冊」とか
「現代に必要な知識を持てるX冊」
「人生を深める名著X冊」みたいにまとめて紹介してある。
僕も、結構な本読みと自覚していたけど、原典といえる本は、読まずにすましているよなあ…と反省した。
(その手の古典はやはり精読が必要になるからだろう)

もう完全に、受け手目線ではなくて、書き手目線の話ですけど、
自分の推薦図書を紹介できるの、ちょっとうらやましいですよね。
出口治明さんや『スゴ本』なんかもそうだけど。

多読家からすれば、読書の効用なんて百も承知。
アルファビブリオフィラー(愛書家)のマウンティング。僕としてはそこに憧れるところです。

あと、装丁に「君たちはどう生きるか」のコペル君をしれっと出しているので、
これで買った人も一定数いると思う。これ、別にコペル君って書いてなくて、ただ単に本読んでいる少年のイラストなんだから、
セールス的にはうまいよなあと思った。