- アーティスト: Bill Evans
- 出版社/メーカー: Ojc
- 発売日: 1991/07/01
- メディア: CD
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1958年の作品で、まだデビューして3年目の頃のビルエバンス。マイルスとかジョージシアリングとかがビルエバンスのことを褒めている文が(サイン入りで)載っている不思議なジャケ。ま、さしずめ今で言う書店POPみたいなもんですな。
このアルバムのトーンは一曲目の"Minority"に集約されているように思いました。結構ごりごりのハードなサウンド。こんなバックならビルエバンスもこんな感じにスウィングするんだと、ちょっと意外でした。
それにしてもフィリー・ジョーはいつものフィリージョーだし、ベースは愚直なまでの4ビートで、ビレッジバンガード4部作というものを目にしている現代の我々が、Retrospectiveにみると、ビルエバンスが本当にやりたいイメージが、バンドメンバーにあまり伝わってないように思えました。
で、アルバム中にピアノのソロ曲もあるんですけど、これがトリオ編成の演奏と全く違うわけで。"Peace Peace"という曲なんですが、いうなればオリヴィエ・メシアンみたいなサウンドの曲で、後にソロでやっているAloneとかよりも先鋭的なんです。これが一曲だけ、えらく異彩を放っている。
そういうわけで、サウンドの方向からいうと、えらくゴリゴリのハードバップ的な演奏と、えらく耽美派のソロ演奏とが一枚のアルバムに共存していて、アルバム全体を通してみると、全然噛み合ってないように思う。
このアルバムの"Night and Day"は、好きな曲だし、ビルエバンスも好きだけど、フィリー・ジョーのぺたぺたしたドラムも、エバンスのジョリーンジョリーン弾くピアノも、全く気に入らん。相性なんですかねえ。
あと、LPではA面とB面の最後にエピローグと称し、一分以内のカデンツァ的な曲をソロ弾きしています。CDだと、A面最後のエピローグが無意味化するので、それはちょっと残念かなあと思いました。