半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

Miucha & Antonio Carlos Jobim "Complete and More"

たとえばジャズ愛好者にとってはいろんなアーティストのアルバムから一曲ずつ集めたようなコンピレーション盤はあまり歓迎されない。
それはアルバム単位で作品を勘定するアルバム至上主義もあろうし、またジャズのテイクに関しては相当蓄積された共通認識があるからで、その曲だけをバックグラウンドから引っこ抜いて楽しむという文化的土壌がないのだ。

 ところが、MPBではむしろコンピレーション盤が普通で、オリジナル盤をコレクションする御仁はジャズマニアに対してあまりにも少ない。これはおそらくブラジル発のLP原盤はジャズのLP原盤に比べて極端に少ないからではないかと僕は勝手に思っている。ある程度の数が出回らないと一定の広く膾炙した趣味にはなりにくいよね。

 まぁ、オリジナル盤なんて演奏時間は40分以下だから、CDだったらものすごく物足りない。本当は正気に返れば、ジャズだってコンピレーションに乗っかった方がいいに決まってる、と僕は思う。そうしないのは今まで蓄積されたオリジナルLPのレガシーが邪魔をしているだけだ。

 それはさておき、このCDはLP二枚分のニコイチCD。MiuchaとJobimが一緒にやったLPが二枚あるので、それを二枚合わせました、と。聞くところによるとJobimは同じ女性歌手とのデュエットは二度と一緒にしなかったけど、Miuchaは例外だそうで、だからMiuchaはすごくね?大した歌手じゃね?ということだそうです。

 ジャケットはモンドリアンみたいな抽象っぽい絵で、いいですね、と当たり障りのないことを言ってみました。ええと、はまぞうにも乗ってないので困りましたが、もし売ってたらおすすめ。お得ですから。

あと、裏ジャケにアントニオ・カルロス・ジョビンの顔写真がのっていますが、たとえば若い頃の「イパネマの娘」の頃はしゅっとしたいーい男なのに、なんですかあのブタ顔は!?ギニャー!!そんなの約束違反です!