半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"Interaction/Sing Me Softly of the Blues" Art Farmer Quartet

Interaction/Sing Me Softly of the Blues

Interaction/Sing Me Softly of the Blues

 LP時代の二つのアルバムを一つのCDへ。ニコイチCD。
 前者は1963,後者は1965年。Jim hall, steve swallowで、共にフロントはアート・ファーマーだけのワンホーン。

 アートファーマーはジムホールとよく組んでいます。僕の知っている限りでは、Gerry MulliganのNight Lightsで組んだのがきっかけで、その後10年くらいの間で何枚か共作を出している(はず)。スウェーデンより愛を込めてとか、そういうの。この二人はものすごく噛み合いがいいんですよね。僕はジャズテットでのファーマーも好きなんですけれども、このちょいイージー・リスニング要素に振られたアート・ファーマーの方が好きかもしれません。

以下、二枚のLP別に寸評。
 Interaction:これは酒バラから始まっているアルバムで、スタンダード中心の構成。こういうアルバムはアートファーマーの真骨頂なはずなんだけど、このアルバムに関しては、ひどく盛り上がらないのである。メダリスト候補が、予選に出て、ま、予選に落ちないところまでやってあとは流しているような感じ。ただ、こうした流し演奏の方にこそ地力が出るという考え方もあるが、アドリブのラインをみる限りは、少なくともアート・ファーマーは、頑張っていない。

Sing Me Softly of the Blues:後半のアルバムは、ジャケこそちょっとメローな感じではあるけど、むしろ演奏的には頑張っている感がある。選曲は完全にオリジナル・チューン。スティーブ・スワローやカーラ・ブレイの曲をやっている。ということは、抽象的で小難しげな感じになる。そうか、このころはカーラ・ブレイはスティーブ・スワローと結婚していたんだっけ。アート・ファーマーも小難しいバックに乗って、どっちかというとよそいきな感じでパリパリ吹いています。ちょっとだけ、そういう緊張があって、音が少し固い。

 アルバムの出来としては、後半の方がいいかなあと思うんですが、選曲とかは前半の方が好き。なんとも評価しづらいですね。ジャケ写のイメージは、前半、後半ジャケが逆の方がイメージにあっていたんじゃないかと思う。

参考:
Gerry Mulligan "Night Lights"☆☆☆☆☆

NIGHT LIGHTS

NIGHT LIGHTS

ボサノバの佳品。v.tb,bsaxという、あまりメジャーではない楽器の音色を活かしたアンサンブル。Art Farmerはtpですが、これも非常に柔らかく暖かい音色です。

Art Farmer "To Sweden with love"☆☆☆

To Sweden With Love

To Sweden With Love

一連のFarmer/Jim Hallコラボレーション盤の中でもっともポピュラリティが高い。