半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『相席食堂』

ゴールデンウィークは、Amazon Primeにて、相席食堂を延々とみていた私。
相席食堂は人気番組なので当然みなさんご存知だとは思う。
いろんなタレントの街ロケに対して千鳥がツッコミを入れてゆく番組である。

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なんといいますかね、要するにこれはツッコミのマイナスワンなんですな。
マイナスワンというのは、例えばジャズの演奏の練習用音源のこと。
ジャズのアドリブソロというのは曲のコード進行に合わせてフレージングする必要があるので、準備段階とかで、こういうカラオケみたいなバックトラックを流して練習する、なんてことはよくある。
昔はジェイミーというCDと譜面がテーマ別に売られていたけど、今は i Real Proというコード進行を表示するソフトからも伴奏音源ができる。これは転調やリズムパターンも設定できて、すごく便利だ。なんなら録音さえもできる。

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話がそれたが、相席食堂は、田舎のロケ画面(これは毎回出演する旅人は違う)。これは田舎の食堂で相席をするというのだけが共通点。
この手の街ブラロケは、別に珍しいものではなく、例えば『鶴瓶の家族に乾杯』とかもそういうやつですよね。まあ手垢のついた方式である。

『相席食堂』はその映像を観ているスタジオの千鳥というメタ構造が加わっている。
視聴者はロケをしているタレントではなく、千鳥の方に感情移入をすることになる。
擬似参加型バラエティとでもいいましょうか。

歌手の歌を追体験しようとして、我々はカラオケにいってその歌を歌ったりするけど、そういうのに近い。
お笑い芸人のテレビでの「仕事」をこの番組は追体験できるわけです。

千鳥のツッコミと言えばノブだけれども、番組ではノブも大悟もツッコミを入れている。
 大悟のツッコミやコメントが、意外に深いなあと思ったりはした。大悟は冷静ですね。

要するに千鳥のツッコミのタイミングと内容、わかりやすく視聴者のそれと比較できる。
結果的に千鳥をより深く味わうことができる。
おまけに、ロケがへぼくても千鳥のボケツッコミでカバーできるし、ロケがいいものだったらそのまま楽しめばいい。
千鳥という緩衝材で、リスクヘッジがなされているので、視聴者としては安心して楽しめるということで、いろいろうまいやり方だなあと思った。

個人的には「イジリー岡田」の出雲の回でのイジリーのいい人っぽい感じと、我が地元福山でのなかやまきんにくんのヘボっぷりが印象的でした。

こういう街ブラも、コロナではできないわけで、テレビ番組の作り方も今後変わっていくのかもしれないなあ。