オススメ度 90点
未来の小市民のディストピア度 100度
- 作者: あさりよしとお
- 出版社/メーカー: 徳間書店(リュウ・コミックス)
- 発売日: 2017/10/13
- メディア: Kindle版
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『プラネテス』は宇宙時代の一市民の生活をリアルに切り取った描写と、熱い心の発露が素晴らしい漫画だった。
- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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対してこの『アステロイド・マイナーズ』も同時代、宇宙黎明時代の、一市民の生活を、同様にリアルに切り取った漫画だ。
なおかつ、プラネテスにあるアツさや上昇志向がない、ぬるい宇宙生活を描いた漫画だ。
いや、一市民というよりは一プロレタリアートか。
考えてみると、たとえば僕が子供の頃。20世紀、昭和40年代から、今生きている2019年をみると、これは未来の世界に生きてる。
でもすべてが未来っぽい生活ではなくて、たとえば、米を研いだり、トイレが詰まったらシュポシュポやるやつでなおすし、年賀状の整理をしたりする。吉野家に行ったりサイゼリヤに行ったりする。考えてみれば、庶民の一膳飯屋なんてどの時代もおんなじようなもんだ。パソコンを使っていたって、不要なメールを確認しては捨てたり、別に、すごい未来っぽいことをしているわけではない。
そういう僕らのしょうもない生活をさらに未来に移動した、「リアルな宇宙生活」を描いたのがこの作品。
特に宇宙もしくは小惑星では、水・空気、排泄物の循環など、地球では意識しなくてもいい部分も人工的に構築せざるを得ないわけで、そういうリアルさが、宇宙生活の厳しい現実を思い知らされる。
『まんがサイエンス』でわかりやすい説明の技術もあるので、重力の井戸の話とか、そういうのの説明も上手。