オススメ度 80点
読みやすさ度 90点
- 作者: アキよしかわ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
思った以上にいい本だった。
医療経済学の専門家として、グローバルヘルス・コンサルティングのトップとして、1000以上の病院にコンサルティング実績を持つ日米をよく理解する医療経済学の論客が、大腸ガンになってしまう。
逡巡の挙句、結局日本で癌の手術を受け、ハワイで抗がん剤の治療を受ける。*1
その経験を通じて感じたこと、考えたことを、本にまとめている。
本の2/3は自分の体験談。しかし医療経済の専門家であるので、ところどころに、日米の癌治療の相違について概説がさしはさまれ、非常に内容が理解しやすい。実例付きなので、話がすっと入っていきますよね。
アメリカの医療の良さを知悉しているアキよしかわ氏にしてすらが、日本の「優しい」医療、在院日数について、タイトではない姿勢に「助かった」と述懐しているのは、興味深かった。
ハワイでケモセラピーを受ける際に、キャンサーナビゲーターという存在に感銘をうけ、ケモセラピーをうけている間に、自らもキャンサーナビゲーターの講習に参加し、キャンサーナビゲーターの資格もとってしまう。*2
患者と医療関係者の間の橋渡しするキャンサーナビゲーターという存在、確かに、日本でも、いや医療従事者が手薄な日本でこそ、より有用であると思う。今は医療従事者がつけやきばの知識と経験で、患者に寄り添っているが、こういう存在がもっと増え、日本のガン治療家は、世界標準の治療そのものに専念できればいい。
アキよしかわ氏、実は、某所で講演を聴いた時に、この話をしておられた。本に書いてあることと、内容はだいたい同じであったが、本、よくまとまっているので、医療関係者はぜひ一度読んでみられたらいいと思う。
素直に読めば、参考になることは多いと思いました。