オススメ度 60点
ダイエットしたい時には特にオススメ度 80点
ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 6 (ヤングアニマルコミックス)
- 作者: 武田一義,平塚柾緒(太平洋戦争研究会)
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2019/01/29
- メディア: コミック
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戦争末期に徴兵された初年兵が、フィリピンのペリリュー島の島嶼防衛部隊として防衛戦に巻き込まれる話。
まあ、太平洋戦争の兵隊は基本「巻き込まれる」という言い方をせざるを得ないわけで。
米軍の進行、撤退、塹壕というか洞窟にこもる司令部…
食糧不足。訓練不足。士気は不足以前に多分もともとない。
ゲリラとも言えない生存のための行動。
陰惨な負け戦の描写が続く。
ああ戦争はいやだとつくづく思う。
けれども、山本七平などを読むと、戦前の軍組織の欠点はそのまま現在日本の会社組織に受け継がれていることを意識せざるをえないというか、平和な世界でも、狭いムラ社会の中に多数の日本人をぶちこむと陰惨な組織が出来上がるのはなぜだろう。
近代と日本人の行動様式をかけ合わせると、あまり良い結果を産まないのだろうか。
うまくいっているときは、うまくいくんだけどね。
水木しげる『総員玉砕せよ!』が話としては極めて近い。
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06/07
- メディア: 文庫
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halfboileddoc.hatenablog.com
意外に、9年前にこういうの書いてました。やっぱりブログの蓄積って役に立つな…
が、この作品の方が、長い分描写も細かい。
司令部の浮世離れした感じと、下士官クラスの世故長けた感じ、経験の浅い兵の右往左往、という図式は変わらない。
つらいなあ、撤退戦。
つらいなあ、負け戦。
医療って、今後の少子高齢化の中では「撤退戦」だ、という言い方で総括されることが多いのだけれども、
笑って仕事ができる組織の中にいたいと思う。