- 作者: 生駒忠一郎
- 出版社/メーカー: エフエー出版
- 発売日: 1992/02
- メディア: 単行本
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買ったのは、有楽斎という人物に興味があったのと、金色の装丁がかっこ良かったから。
……
うーん、ここまでひどい本はちょっと…
ええと、織田有楽斎が、在りし日の織田信長を回想して書いた、という体裁をとっているのですが、全然その体裁も中途半端で、ほとんど堺屋太一の本程度の文学力・描写力です。
有楽斎を持ち出す必然性が全くなく、有楽斎は狂言回しの役もこなせていない。
なら、そんな構図とらなきゃいいだろ、と思う。できないのなら。
あとは、織田信長が急成長したのは平家の怨霊のせいだとか、桶狭間の戦いでは熱田神宮の神兵が加勢をしたからだとか、秀吉の嫁、北政所ねねが信長の子供だったなど、わけのわからない裏設定 (考証もない)が随所にもりこまれ、なんともいえず読んでいていらいらする。そりゃさ、小説だから、奔放な設定は「フィクションです」で片付けたらいいけど、どこからどこまでが本当で、どこからが嘘かがよくわからないのである。
ほんでまた、そういう架空(かどうかしらないけど)の設定が生きるようなプロッティングならいいけど、全然。
表紙は金色一色に殴り書きの筆文字で、大層カッコいいのですが、ほんと時間の無駄。なにが”真説”織田信長じゃ!すみません、ホテルに捨てて帰りました。