半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ソアラと魔物の家』

なんかSNS上のWebコミックアプリで何度も何度も紹介されているので読んでみた。
ファンタジー×建築、みたいなやつ。

世界を救うために勇者として研鑽をつんだ主人公(女の子)だが、旅立ちの日に、魔界と人間界との講話が成立してしまい、自分の生きる目的もなく放り出されてしまうのだが、そこに、奇妙なご一行様とでくわし……

主人公は狂言回し。
主役はモンスターの家を作るドワーフ建築家集団で、道々で出会うモンスター達にあった「家」を作って回る。
という話。

ダンジョン飯』が、ダンジョン×食で、成功したように、ファンタジー世界の生活を深掘りするような作品、ということなのだろう。エピゴーネン、といってもいいのかもしれないが、しかし最近の漫画は、みんな本当に絵がうまいなあと思う。
作画の立体感が崩れないし、漫画ならではのパース、ディフォルメなどもうまい。
初期の鳥山明先生のキャラクターみたいなまとまり感がある。

そして、「成果物」であるモンスターの棲家の立体図も、非常に面白いというか。
まあ、ちょっと劇的ビフォアーアフター的な、割と奇をてらった建築にみえるから、施主のモンスター的には、今ひとつ3ヶ月くらい暮らしていたら、なんか陰で文句いわれているのかもしれないけれど。

そんなソアラと建築集団ドワーフロードムービー的な話。
なんか色々大変ですね…といいたくはなる作品。だって、ファンタジーだし、建築ものだし(建築ものは、医者ものや警察もののように、業界の内部から発せられる作品はあまりないし、漫画家が体験する数だって知れているし、なかなか普遍性を得にくいような気はする)

それに、構造計算・強度計算、各種法規制などのない建築って、意外にしばりがないから、
ネタが長続きしないんじゃないか…と要らぬ心配をしてしまう。