ケンカとは無縁の無口で内気な少年がストリートで自分の才能に気づき、ヤンキー狩りを行う格闘家に成長してゆく「ホーリーランド」は僕も楽しく読んだ。
「自殺島」も読んでいたが、途中で落ちた。最後どうなったんだろう。
「デストロイ&レボリューション」は???と思って読んでいたが、これも途中で落ちた。
それはそうと三浦建太郎急逝による未完『ベルセルク』の続編を森恒二が三浦建太郎のスタッフと共に制作する、という話には「へぇ〜?そうなん?」と思っていた。
三浦建太郎氏と森恒二氏は、高校時代からの同級生で、刎頚の友とも言える間柄だそうですね。そのあたりはWikipediaを読んでみればいいと思う。泣ける。
そんな森恒二の異世界転生というかタイムワープものといいますか、現代の大学生が古代にタイムスリップするという話。
読み味としては、自殺島とか、ホーリーランドに近い。
「何者でもない」普通の大学生が主人公が、暴力の支配する原始の世界界で、自分の価値に気づき才能を開花させてゆく。
森氏の物語類型に忠実にストーリーはすすむ。
このパターンを何度も書いているだけあって、めっぽう面白いし、そこに原始世界転生の部分を描くのもさすがにうまい。
敵役の設定も荒唐無稽でありながら必然性も感じさせられ緊迫したシーンが続く。
ただ、人種問題などデリケートなところを描いているだけに、グローバル向けの展開はなかなか難しいかもしれない。
(アフロアメリカンが主人公側であり、アングロサクソンが敵役だから、イマドキのハリウッド的にはOKなのかもしれないが)
暴力描写はかなり克明だけど性描写についてはかなり控えめに思うけれど、そこは書き手の好みなんだろうとは思う。
まあ森恒二氏のストーリー類型、ビルドゥングスロマンは、森氏の人格形成期の鮮烈な体験が下地になっているんだろう。まあ村上春樹もおそらく思春期に起こっていたなんか出来事の埋め合わせを数十年かけて繰り返してるわけだし。
参考
望郷太郎
halfboileddoc.hatenablog.com
これは未来だけど、原始文明×現代のテクノロジーという点では近い。
世界終末サバイバルものとしては、
さいとうたかをのサバイバル、
他にもまだまだあったけど、なんだっけな…