半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『絶滅動物物語』

人類の愚行であるところの、動植物絶滅。
今や、世界人口は80億人を超えて、おそらく今後の自然環境の荒廃で、深刻な食糧危機だっておこりかねない。
そう、我々が昭和30-40年代に「地球危うし!」とか警鐘されていた未来が、すぐそこに迫っている。

そう考えたら、少子化による日本の人口減少って、そんなに悪いこと?とか思うよな。

それはともかく、として。動植物の絶滅はいまやかつてない規模。
多分だけど80億の人類を食わすためにはより一層地球環境は人間に適したものに作り変えざるを得ず、そのために生物の多様性はさらにますます失われてゆくだろう。

そして、過去の絶滅を描いた漫画。
漫画の画力は高いとは言えないが、それだけに、「良薬口に苦し」的なアレでしょうか。
政治的にマジな感じがして、シリアスさも一際強く感じてしまう。

読み味としては「栄光なき天才たち」の苦々しさとかに近い。

一言でいえば、「愚かなり、人間」という感じ。
だけど、僕たちだって、夜中にお腹減ったりして、ポテチとか食べてしまったりとか、明日忙しいことがわかっているのに面白い本や漫画で徹夜してしまったり、と、個人レベルで取り返しのつかないことしちゃったりする。

動物の絶滅における人間のおろかしさって、そういう僕らの日常レベルでの愚かしさと地続きのレベルなのが、ひときわ愚かしく、情けない。だからこそ不可避なものです。
多分世界人口を食わすためにはもっともっと動物は絶滅してゆくし、これは愚かなんじゃなくて、もうどうしようもない。生きるために食わにゃならんから。そもそも人口が増えすぎたことが人類の愚行かもしれないが、そこは言っちゃいけないことになっている。

しかし、最近海洋資源(サンマとかマグロとか)めちゃくちゃ減っているけど、商業捕鯨をかなり減らして、海洋の食物連鎖の頂点である鯨の頭数が回復したこと絶対に影響しているよなあと思う。捕鯨についてはもうなんか政治的にアレすぎて手を出しにくいけど、どう考えても、商業捕鯨をかなり復活させた方がいろいろうまく回るような気がする。


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