半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『天地創造デザイン部』『絶滅酒場』

オススメ度 80点
「クリエイターもの」とでも言えばいいのか…度 100点

絶滅酒場(1) (ヤングキングコミックス)

絶滅酒場(1) (ヤングキングコミックス)

ちょっと似たテイストの漫画二つ。

天地創造デザイン部』は、主人公は、神様からの依頼をうけて、新しい動物を作り出す「デザイン部」のお話。

神様の依頼、例えば「馬を空飛ばして…」みたいなお題をもらって、設計する→不備な点が見つかり、修正してゆく→最終的にはこの回は「馬でなくていいからとにかく飛ばして…!」みたいにクライアントの神様が妥協して、結局「キクガシラコウモリ」に着地。
みたいな、そういう動物を、実際の進化の過程とは別に、妄想ストーリーで、あちこちをデザイン削ったりくっつけたり、色を変えたりして、実在の動物に(結果的に)着地するさまが非常に面白い。
簡単そうに見えるけど、比較解剖学とかにも詳しくないといけないし、それなりに知的好奇心が喚起されて楽しい。
シリアスなテーマにも関わらず、クリエイティブ部っぽい、ゆるい雰囲気の登場人物たちのやりとりも面白い。
割と黄金パターンを作れちゃったので、この形式で延々漫画は続くことはできそう。

* * *

『絶滅酒場』は、もう絶滅してしまった動物たち(の魂、なんだろう、多分)が寄りあつまる酒場。
まあ、行ってみれば、負け犬もやさしく包んでくれる*1酒場、みたいなコンセプトですよね。
女将の優しさが身に沁みる…的なやつ。

少しあっさりした画風に、ディアトリマ(ナウシカのトリウマみたいな動物)、スミロドン、ティラコスミルスとか、絶滅動物に、勝手に性格を付与して、酒場を中心の人間(?)関係のやりとりを描いている。

絶滅動物に詳しい人には結構楽しいのかもしれないけど『天地創造デザイン部』よりは、うんちく度が高くないので、さらりと読める感じがある。

*1:進化生物学からいえばね。