半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『魚社会』panpanya

ガロの系譜の匂いする描線。
日常系漫画のようであって、異世界に引き摺り込まれる感覚。
panpanyaは20代の頃の僕ならもっと耽溺していたであろう、サブカル系の素晴らしい作家だ。

panpanya『グヤバノ・ホリデー』『二匹目の金魚』『枕魚』『蟹に誘われて』 - 半熟三昧(本とか音楽とか)
や、ただただ素晴らしいのですよ。
作品単体でもとにかくクオリティが高く、不思議な読み味が心に残るのだが、いわゆるサブカル漫画の文脈でも正統後継者って感じがする。
諸星大二郎つげ義春に、吾妻ひでおとかを足したような感じ?

お笑いでいえば「ラーメンズ」のような立ち位置に思える。アート・演劇界からもリスペクトされるような感じ。

作風による時代変化がよくわからないので、新刊に新刊感がないのであるが比較的新しい「魚社会」を読んだ。

どことなく寓話的な表題作「魚社会」、電線がロープウェイになっていて、どこまでもいけちゃう話。とにかく、夢の中のような、現実のような現実ではないような話。
相変わらずクオリティがおそろしく高いのだ。

ヤマザキの「カステラ風蒸しケーキ」の話。
まあ、リアルな「カステラ風蒸しケーキ」を好んでいたのが、発売中止になって、それを自分で再現しようとするくだりなど、やはりこの作者の凝り性ぶりがうかがえる。
というか、めっちゃ食べたくなったね。