オススメ度 80点
これはしかし経営者からは勧められへんやつ度 80点
新人が身につけるべき態度、考え方、習慣などを書いた本。
少し世代が古い感覚があるが、「甘さゼロ」。
言っていることはかなり正しい。
- 新人のみなさんは会社に入るまでは「会社を評価する」立場にいたが、社員になった瞬間新人のみなさんは「会社から評価される」立場になる
- コミュニティの悪口ばかりを吹聴している人を信用できますか?
- 「教える立場」なのか「学びの獲得をしにいく立場なのか」
- 時には上司はあえて失敗させることで部下を成長させようとすることがあります
- そもそも「責任と権限」という視点で考えると、「責任を負わなくてもよい状況で、権限を行使する状態」は一番気持ちがいい状態
- 立場によって視点はかわる
- 新人の仕事においては、知識は行動の選択材料にはならず、行動を停止させる材料にしかならない」と考えておいた方がよいくらいです
僕らの世代の頃は、入社するとへらへら笑っていた学生気分から鬼軍曹みたいなそう、中間管理職「トネガワ」みたいな人が、甘っちょろい気分を吹き飛ばしてくれていたが、売り手市場でもあり、グローバル化で、日本の企業文化自体を当の企業が真正面に押し出せない風潮もあってか、うまく新卒の「学生気分」っていうのを吹き飛ばせていない。
うちもそうだ。
(まあ当グループの場合は、昔ながらの企業文化を変えて、リベラルな感じにしたいなと思ってはいるのだが、そういう風土にしたら建設的な意見がボトムアップでも出てくるようになるわけではないのだが…)
この本で教え説かれる「新人の心構え」は、割と普遍的なものであるとは思うが、現在の働き方の多様化や、新人に寄せてくるような教育方法が増えている昨今、新人にとっては敬遠されがちなことだよなーとは思った。嫌われるようなことも書いているから。
ただ、この本を平然と読んで、うんうんそうだよなーって、迷いなく仕事人としての完成度を上げていく、ツラが渇いているやつこそが、まあ勝ち残っていく人材なんじゃないかと思った。
ま、しかし「敢えて失敗させる」とかは、今時の基準だったらパワハラ扱いされそうな気はする。ここら辺はちょっと微妙だ。
経営層から、新卒社員へ「こういう風に考えなさい」と本を渡すことは、ちょっと危険な気がする。