オススメ度
中小企業社長限定度 80点
- 作者: 前川孝雄,田岡英明
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2018/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人材育成コンサルティングをしている人が書いた本。
後半2/3くらいにある Q&Aをまず見て欲しい。
- 管理職が一般職員と変わらない意識で不満ばかり述べる
- ランチ会やありがとうカードを取り入れていても大半がしらけている
- 朝礼を実施しているが、社員がイヤイヤ参加しているのが明らかで空気が悪い
- 社員Aの弱みを補強できる強みをもった社員Bが存在しない
まあまあ、中小企業で、意識改革をしたいけど…あるあるだと思う。
解をここであんまり書きすぎると本の剽窃になるので、ぜひ読んで欲しい。
* * *
高度経済成長からバブル、そしてバブル時代。
働き方のモデルは一つしかなかった。
「二十四時間働けますか?」時代ね。
昔ながらの日本企業には今から見れば価値観の多様性を認めない窮屈さの点で問題はあったが、帰属意識としては安心できるコミュニティだったと思う。(まあ、居られない人は排除される内向きの組織ではあるわけだが)。
今はそうではない。
日本的な組織風土や勤務の形式は「生産性の低さ」という言葉で断罪されてしまい、失われたX年の凋落がそれをダメ押しした。
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だから、組織の風土を変え、働き方を変えなければいけないことは、10年前くらいからわかっている。
だが、新しい価値観を提示し、その価値観に沿った組織の構築する、というのは結構難しいことだ。
明確なロールモデルはない。ロールモデルのないところから新たなものを作るのは我々の得意な分野ではない。
その辺が日本的企業の迷走にもつながっている。
組織がまとまらないと、アクセルを踏めないからね。
- 人が集まらない
- 新卒の初任給をあげても、人が集まらない
- 大盤振る舞いをするとモチベーションが上がると見えるが、カネでつった社員は結局カネでやめてゆく。
結局、待遇だけでは大企業には勝てないし、待遇だけをあげても思うような組織にはならない。
職場に「理念を浸透させ、意識を改革し、楽しく働ける職場を作れないか?という話。
- 「フラットな組織」は結局ワンマンな組織になりやすい。
- 本音が言えない=積極的な発言以前に、自由に意見が言える雰囲気が醸成されているかどうか。
- 社員それぞれの役割が不明確だと、自由に働けない。(リンゲルマン効果)
- 経営者自身が自身を知り、省察し、社員の思いや価値観を理解する。
社員の愚痴を言っているようではダメで、社員は、経営者の映し鏡のようなもの。
今の組織のありようを社員のせいにせず、黙々といい組織を作る努力をしないと*2いかん。