半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ビジネスモデルの教科書』

オススメ度 80点

一般的に成功事例の多く、ラベリングされているビジネスモデルを総花的に紹介した本。
経済学、というよりは経営学の本でしょうね。

ジャズフレーズハンドブック

ジャズフレーズハンドブック

そうですね…、ジャズ畑の人にしか通じないし、この本はひと昔前にはやったやつですが、この本に読み味が似ています。
これはジャズのフレーズ(Lic)を、例えばLydian dominant 7th フレーズだとか、Blue Note Scaleだとか、Altered Scale フレーズだとか、成り立ちごとに分類して解説している本です。
ま、これをさらりと通読していると、だいたい演奏中にでてきたフレーズは、ここに書いてあるフレーズのどれかもしくは複数のエッセンスを組み合わせて作られているので、アナリゼしやすくなる。


この本も、ビジネスモデルに関して同じような「図鑑」的な効果を狙ったもの。
ラベリングして並列に紹介することによって、モデルの違いや、利点・欠点の大まかを理解しやすい。

地域ドミナント戦略、クリームスキミング、同質化など、シェアに関する戦略。
レーザーブレード、アンバンドリングなど、購買に関する戦術、
顧客ライフサイクルマネジメント、ブルーオーシャンなど、有名なコンセプトも含めて、

など過去さまざまな分野での成功事例がある代表的なモデルを総花的に紹介している。

それぞれのモデルに対して、本質的な意味の解説と、強み。どういう状況で有効に作用するか、そして落とし穴。
をわかりやすく概説している。

文章も簡潔かつロジカルで、僕の好きな読み味である。

既知のビジネスモデルのカタログは、例えばビジネスコンサルタントにとっては常識であろうとは思う。多分これらのビジネスモデルの用語を聞いて「それってなんですか?」なんて答えようものなら、以後全無視、くらいの常識に思われる。
ただ一般ビジネスマンにとってはどうかな。僕も一つや二つは知らない奴あった。
ただ、実践家にとっても、例えばライバルが打ち出してくる戦略や、取引先のビジネスモデルの強みと弱みを理解することは重要だ。少し応用問題だとは思うが、現代人にとっては常識的な内容であるとは思う。