『ちひろさん ９』安田弘之

オススメ度　70点
野球少年の成長ぶりに涙度 70点

ちひろさん 9 (A.L.C.DX)

ちひろについては、以前にも書いたことがある。

halfboileddoc.hatenablog.com

その後も楽しく追いかけていたわけだが、この度、９巻をもって、一旦終了となったようだ。

「最も聖なるものは最も俗なるものの中にある」
「一見のほほんと生きているような人にこそ、心の闇はある」

闇はいろいろあるけど、いい闇を、描写してくれる作品はそれほどはない。
と思う。

現代社会ってなかなか難しい。
距離が狭すぎることによる軋轢も、距離が空きすぎることによる寂しさも、あるのが今の日本だと思う。
この漫画ではそのあたりの両方ともを、等分に公平に書いている気がした。

以前にも書いたことがあるが、安田弘之氏は、平面とも立体ともいい難い、構図の決まったいい絵を描く。
まるで花札の絵柄のように、完成度が高い。