半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

物男 [book][comic]

物男 1

物男 1

なんじゃこれ。
久しぶりにいろんな意味で唖然とする作品をみた。

物語は現代日本だが、「物男」なる、物品の肩代わりをする賤業集団がいて、主人公はラブホテルのベッド役をやっている童貞男子。
……もうのその時点で設定がよくわからないのだけれども、そこから無理矢理に物語がはじまったりするのだけれども。

で、時事ネタなのか大塚家具を模した「大角家具」っていうのがでてきたりして、そこのデザイン家具の素材として、物男が採用されて、でも椅子の格好するのには、勃起や射精がネックになって……

という、改めて書くとくだらないとしかいいようがないのだが、物語って恐ろしいもので、そんな設定でも話がすすめば読み進んでしまうものなのだ。

物男 3

物男 3

デザインコンペで勝ったりしていた2巻まではともかく、急展開をむかえるのはついこの前出た3巻。
なんだかよくわからないうちに、SFっぽい展開になり、星間旅行をさせられてしまう主人公。そしてよくわからないうちに物語は終わる。

なんだこりゃ。
ほんと……なんだこりゃ。んー?
いい意味でクレイジーさと、オナニー感あふれる世界観の同居。
最後は、なんかものすごい大きい世界愛的な感じを匂わせて作品は終わる。
(でもまあこれって、射精後の『賢者タイム』的な感覚に、きわめて近いような気もする)

この作品って、童貞男子(男はみんな元童貞男子なので、男子は全員該当するわけだが)なら共感できるようなリビドーを前提としているわけですが、サブカル女子とかには、この作品は一体どのように受容されるんだろうか。
陰茎を持たない人にとっては、この作品はどう受け止められるんだろうか?
単純に「気持ち悪い」、なんだろうな。エヴァ映画版のラストみたいに。