オススメ度 40点
女の子の造形の悪趣味なことと言ったら…度 100点
バスタブに乗った兄弟~地球水没記~(1) (アクションコミックス)
- 作者: 櫻井稔文
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2018/08/28
- メディア: コミック
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Amazonで、ヘビーに本とか買っていると、アマゾンも「お前こんなん好きなんちゃうの?」みたいな感じで、自分の購入傾向にそって、いろいろ勧めてくる。
そんな中に『バスタブに乗った兄弟』というのがあった。
ディザスターもので、洪水なのか、なんなのかわからないけど、東京が水没し、海には人喰いサメがうようよ。
そんな中、バスタブを船がわりにして、漂流する引きこもりの兄と、特徴のない弟。
そんな彼らの、旅行記。
とかいうんですけど、まあひどい。そもそも設定はともかく、世界観やその世界なりのリアリティが全くない。
そして登場人物は、ルックスもひどいし、行動もひどい。崇高な人や利他的な人がほとんどいない世界。
この人にとっては世界はこう見えているんだ。これがリアルなんだ。
まあ、今の日本を正しく投影しているのかもしれない。
なんかよくわからないけど『ノアの箱舟』を題材に、中世で教条的な小説が作られたら、こんな感じの面白いのか面白くないのかよくわからない小説ができそうだ。とにかく、ストーリーで見せるわけでもなく、ディザスターもののリアリティを追求しているわけでもなく、とにかくロウアーな人たちのロウアーな行動の描写が続く。
この世は地獄か。
でも、僕だってこの世界に放り込まれたら、こんな風に行動してしまうだろうな。
水一杯、パン一切れを奪い合うような極限状況に陥ったら、醜い行動をとらないことは、とても難しいと思う。
* * *
しかし、この絵柄はどこかでみたことがある…この逆撫でするような絵柄…
とおもって、過去のアーカイブをあさってみると『中年童貞』の作画担当の人だった。
- 作者: 桜壱バーゲン,中村淳彦
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2016/09/28
- メディア: Kindle版
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『中年童貞』は、「介護の現場に、コミュニケーションのとれないメチャやばい男性がおるぞー!」という本なのだが、
この童貞描写の、迫力がすごい。
フィクションなのに、なんか胸にせまるものがある漫画だった。
これはこれで、彼らは僕と地続きの世界に生きているけれども、ある種の極限状況にさらされているのは間違いない。
社会人としての経験がない(だけでなく、おそらくそうした人物は学生時代にも孤立していて、社会やコミュニティの恩恵をうけた経験がない)人は、
利他的な行動に対する成功体験がないのだろうと思う。
だから、利他的な行動を取れない。
そんな人が、対人援助職なおかつ女性の濃厚なコミュニケーションを所与のものとしている介護現場に入ったら…確かに考えうる最悪の組み合わせだと思うよ。