半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

藤沢周平『隠し剣秋風抄』

新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)

新装版 隠し剣秋風抄 (文春文庫)

孤影抄が面白かったもんだから、対になっている「必殺技モノ」のこちらも買った。うん。やっぱり面白い。

安定した面白さがあるですね。素晴らしい。
ただ、もちろん最初に読んだ衝撃というものは二作目にはないものですから、その分インパクトは少なかったんですけれども。それは僕のせい。

この中の非常に地味な一作が、『武士の一分』になっていると考えると、まことに趣があるというか、なんというか。
この短篇集の中で、敢えてこれ選ぶの?という気もしました。
しかも、あえてキムタクという派手な食材を使って。それがヒットにつながったんだろうか。

本来長編小説の映画化って、これくらい余白のたっぷりある中短編を2時間に収めるのが理にかなっているような気がする。

とはいえ、そういう実例って今、トータル・リコールトニー滝谷しか思い浮かばないんですけれども。

 そう思うと、宮崎吾朗の「ゲド戦記」とか、ありえないよな。あれ、1〜5くらいまでを無理やり詰め込んでいるんだもの。