- 作者: 山崎豊子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1965/04/10
- メディア: 文庫
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博多の学会の合間に、暇つぶしとして購入しました。
実際に山崎豊子が会ったことがある人がモデルになっているようで、上述の代表作以上のなまなましさがあると思いました。
「船場狂い」の、コンプレックス剥き出し主人公の健気さには、他人事とは思えない切迫感がありました。わかるなあ。こういうの。
山崎豊子も、もちろん上手いんですけれども、この時期は素材の濃さに助けられている感じがかなりしますね。濃ゆい人達を中心に据えて、ストーリーをぐいぐい作るんじゃなくて、濃ゆい人達が勝手に動くのに追随しているというか。代表作は、山崎の「神の手」によって場面を動かしている感がすごいでているんですけれども。