半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"Diane" Chet Baker

Diane

Diane

 よれよれチェットの晩年の作品群(特にSteeplechaseの)やつはどれも素晴らしいのですが、私はDoug Raney、Pedersenとのドラムレストリオ群を特に愛聴しています。
 このあたりのChetを聴きながら、Chet Bakerという、ある種の天才が辿らざるを得なかった人生の晩年の味について思いをはせるのです。

 で、久しぶりに別のを買ってみました。これはPaul BleyとのDuo盤。
 Paul Bleyって、もうちょっとアヴァンギャルドな演奏ではなかったかと思うけど、ひどく普通の、というか、そんなにひねりのない普通のピアノデュオでのバッキング、のように思われる。
 いや、別に奇を衒う必要はないのですがね。

 スッカスカのラッパの音色でありますが、フレージングなどはやはりツボをおさえて離さないチェット・ベイカー。あまりまとわりつくようにはならないポール・ブレイのピアノ。
 ポール・ブレイが、ベイカーを突き放しているような感じを受ける。
 まぁ、チェットもうろたえたりとかしないんだけれど。
 冒頭のIf I should lose youなんかは、いかにもな 晩年Chetの油の切れた感じを表していて、あざとくさえ思われるくらい。

 "Pent-up House"この手の「よれチェット」にとっては結構きつい曲だが、これは頑張りました。