半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"ザ・マジック・オブ・ジュジュ" アーチー・シェップ

ザ・マジック・オブ・ジュジュ

ザ・マジック・オブ・ジュジュ

 普通の人はまず知りませんが、ジャズの人達の間では超有名盤として知られているアルバムです。超でもないか。まぁ、有名盤。

 ジャケのデザインは、花柄をあしらったドクロ。
 花柄をあしらったドクロ!?

 でも、見ての通り、そういうジャケットです。すごいセンスだなーという印象を抱きますが、実際サウンドも「花柄をあしらったドクロ」と表現するしかないようなサウンド。そういう意味では、看板に偽りなし。

 ジャンルとしてくくれば、「フリージャズ」というものの中に入るでしょう。
 まぁ、こういう作品がばんばん出て「ジャズとは何だ?インプロとは何だ?」と世に問うてた時代だったわけですが、まぁそれが理由か定かではないが、その後、ジャズは(一部の枝を残して)滅びたわけです。世に問うのは自由ですが、商業的には受け入れられなかったのがフリージャズです。この作品は、そういうジャズ滅亡の、A級とまではいかないが、少なくともB・C級戦犯くらいではあると思う。

 聴く時の精神状態に、相性みたいなものがありまして、相性があわない時は、ひたすらイライラします。特に一曲目のピロピロピロ、ピロピロピロと延々(15分以上)繰り広げられるサックスのソロの所とか。

 例えば「あたしジャズのこと知りたいの」という若い女の子に、何かJazzのCDを貸すとしましょうか。
 なにを貸したら喜んでもらえるかはなかなか難しいことですが、無難なところで、Bill Evansの"Waltz for Debby"とかに落ち着くのではないでしょうか。思うわけです。これなら、当たり障りのないし、世間のジャズ=オサレ音楽的なイメージからそんなには離れてないですから。

 で、面白かったから次に何か貸して?ということになったとしましょう。そこで、このCDを貸したら、まーーーー99%の子は、二度とCD貸してくれとはいわないだろうと思う。
 そういうターミネーター能力を持ったCDですよ。逆にもし、このCDを偉く気に入る子は、ちょっと僕はひくな。きっとその子は変態で、セックスしようとするなら充分心しないといけない。

 なんつーか、きっついセックスのようなサウンドなんですよホント。