半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"V.S.O.P.クインテット・ライヴ・イン・USA" V.S.O.P.ザ・クインテット

 結構伝説的なバンドのライブテイク。サウンド的には60年代にマイルスのバンドでやっていたような、全員攻撃・全員防御的フォーメーションジャズの延長線上。この辺りが、現在のコンテンポラリー・ジャズのフォーマットのルーツかしら。これにブレッカー風味をちょいと足せば、ハンコックのこれ以降の演奏のテンプレートとなります。

 しかし、裏ジャケのメンバー写真をみると、さすがに時代を感じますね。みんなアフロヘアーで、まるで風防付きのマイクみたいであります。

 基本的なサウンドは上述したとおりのものですが、フレディ・ハバードがここでも結構いい働きをしています。 「他人の褌で相撲ととるハバードに外れなし」という格言(ないけど)は、ここでも正しい。
 今にして思えば、マイルスのバンド・コントロール力というのは大したものなのだけれども、それはいい意味でも悪い意味でもなわけで、こういう全員攻撃・全員防御的フォーメーションは、マイルスをピラミッドの頂点とする独裁制より、フラットな組織的の方が向いているのかも。