半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

Book of Fishes 魚図鑑

オススメ度 80点
でもカラオケで歌うかなぁ…多分歌わない度 60点

魚図鑑

魚図鑑

妻は、大学の軽音時代にならした人でして。ドラム。あとピアノ、ギター、歌もやります。ジャズ研純粋培養と違ってポップス・ロック畑出身。
今は音楽からはやや遠ざかっているけれども「最近サカナクションが気になるのよね」というので、いきなりベスト盤みたいなのを買ってみた。
妻が結婚する前に活動していたバンド「こぶなしラクダ」*1を彷彿とさせるのもあるんだろうなと思った。

僕はこの手のテケテケ感のあるサウンドは、今ひとつピンとこない。

サカナクションといえば、僕はこのPVが心に残っている。
youtu.be
バッハの旋律を夜に聴いたせいです…コードに対するメロディーののせ方、独特だよな。
このPVにあるぬいぐるみ5人分身の術は、よく会話の中の例えでだしてしまうのだが、このPV知名度低いよな。わかんねえよ。

メロディーラインも独特というか、テクノポップの語法だったりする。
サウンドはエレクトロ・ポップというか、そういう味付けではあるけど、バンド、というアイデンティティも大事にしていたり。
なるほど、なるほど。

めっちゃディープなファン向けの情報満載のこの作品、事前情報を全くしらない僕には、いささかトゥー・マッチではあったものの、とてもおもしろかった。
なんか10年来サカナクションを追いかけていたような気持ちにさえ、させられた。
うん、楽しめました。

ボーカルの方、ビジュアル的にはいわゆるボーカルの人にありがちな、スター性、外向性、強欲性はほとんどない。
含羞と思索に満ちた哲人といった風情。
目の色が深い。
自分のあり方に自覚的で、無理をしすぎず、譲られない一線をもっている。
ボーカリストというよりはミュージシャン、というかクリエイターなんだよな、と思う。

*1:いまやこぶなしラクダのメンバーも全員こぶつきである