半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

"5th anniversary" paris match

5th Anniversary

5th Anniversary

パリスマッチは3と5を持っていますが、これは五周年記念の、ベスト盤のようなもの。メンバー三人がそれぞれ自己ベストを三曲ずつ今までのアルバムからピックアップしたものと、オランダのビッグバンド、New Collective Bigbandとのコラボレーションで五曲。

以前の感想ですが。

 パリスマッチは、サラダセロリ、ミニアスパラ、サラダほうれん草などの、色味の薄い野菜をミネラルウォーターできゅきゅっと洗って、イタリアっぽいドレッシングなんかをちゃちゃっとからめた小粋なサラダボウル、それが、通りに面したテラスのテーブルに置かれていて、葉の薄い緑が陽光が透かして輝いているさまを思わせます。

 虫上等!寄生虫上等!人糞で育てました!みたいな無農薬系真っ黒音楽の対極。

(http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20050808)

 クオリティの高いポップスであるとは思うんですが、やはり個人的には生臭さがもうちょっとあってもいいかなと思う。生臭くない理由の一つとしては、ドラムが打ち込みなのも一因かもしれない。私は自分がアナログかつアナクロな生楽器なので、どうも電子電子したやつはしっくりこないんです。

 あと、今回のキモであるビッグバンドとの共演ですが、オリジナルアレンジとほとんど同じでちょっと拍子抜けでした。小編成にて成立していたポリフォニーをビッグバンドに引き写すのは、間違ってはいませんが、せっかく高排気量の車に乗っているのにエンジンを高回転まで引っ張らないのと同じで、ちょっと勿体ない。ビッグバンドのポテンシャルを活かせていないと思う。ホーンセクションを人間オルガンとしてしか使えていない。

 控えめな言い方をしても、このアレンジワークはクリエイティブな仕事ではありません。しかしアレンジャーは向こうサイドの人間で、お前はもうちょっと自分のバンドサウンドに誇りがないのかよと思う。やっつけ仕事なのか?

 ボーカルもビッグバンドに対峙してがっぷり四つのタイプでもないですし。