ジュフリー・アーチャー『十二の意外な結末』

十二の意外な結末 (新潮文庫)

　イギリスの有名な小説家の短編集。
　うまいですよね。

　阿刀田高氏などの目指している筆風のまさに本場もののような感じ。
　マスター・キートンの小粋げなエピソードとかも、こういう影響を多分に受けているようにも思う。

　僕はあまり知らなかったけれど、この人、相当脂っぽい人生を送ってきていたんですね。オックスフォードを卒業して政界に入ったり、ニセの北海油田ファンドに投資して文無しになったり、拘置されたり。

　政界を引退して小説を書き始めたらしい。ある種この人の人生もまたこの人の作品の一つといえなくも無いです。