- 作者: 関川夏央,加藤陽子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/07/16
- メディア: 文庫
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だんだん自分もおじさん大陸にむけて漕ぎ進んでいる(というか、到達して、奥地に踏み入っているわけですけれども)わけで、若い自分にはそれほど深く感じ入ることはなかった時代小説に深く共感したりしました。(…これが年をとって、大いなる平凡を獲得するということなのか…)と自嘲したりもしますが、それにしても、面白いんだから仕方がないよね。
この本は、そういう時代小説の、関川的ブックガイド。別に時代小説を網羅的・総花的に紹介しているわけではなく、超個人的で、深く狭くて面白い。
ジャンルは違うけど、例えばジャズのディスクレビューで言えば、マイルスをとりあげるとして「バグス・グルーブ」「マイルス・スマイルズ」「ウィ・ウォント・マイルス」の3枚だけ取り上げている、みたいな感じ。超個人的。クールの誕生、とか、大きな流れとしては必要かもしれないけど、好みじゃなかったらバッサリカット、的な。
でも結局読書なんて、個人的な体験なわけだし、深く共感したものを紹介する熱量が、読んだ事ない作家の本を取り上げる原動力になるわけで、この本は間違っていないと思う。
でも、これ池波正太郎入ってないね!僕池波好きなんだけど、関川先生的にはイマイチなのかな…