- アーティスト: 村田陽一,ドン・アライアス,ブルーノ・スピート,ジェイソン“TC”ブライアント,フレッド・ウェズリー,ジャボ・スタークス,クライド・スタッブルフィールド,デビッド・ガリバルディ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1999/06/23
- メディア: CD
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Solid Brassなどで名を挙げていた直後の村田陽一が渡米してアメリカのどてらいミュージッシャン達と共演した作品。曲は村田陽一オリジナルが半分、有名ファンクナンバーが半分くらい。
村田陽一はインプロヴィゼーションよりもアレンジワークなどのどちらかというとストリクトな音楽に親和性が高い。ソリッドブラスに於いても、自分が一番前でがんがんソロを吹かないと気が済まないという、スティーブン・セガール気質(今、作った言葉ですが)は全然ない人である。
しかし、全くのアレンジャーに徹しているというわけでもなく、ちゃんと演奏では自分の音で主張もしているし、適切な場所で上手いソロをぱっとこなしたりする。その比重の配分が、与えられたプロジェクト毎に応じて絶妙にうまく使い分けており、相当バランス感覚の優れた人なんだろうなという印象を受けます。かなりクレバーでクールな感じです。
しかし、このアルバムでは、「ソロでガチで勝負」みたいなのを敢えてやっているように見受けられる。フットワークが身上のボクサーが突っ立ったままの殴り合い勝負に敢えて挑む、みたいな感じであります。
実際それで結構無難に戦えていると思うんですけれども、しかし、こういう一発ものの曲のソロとかって、そんなに長くは出来ない。ソロの手の内(手癖)に関してはかなりさらけだしちゃった感があります。また、普段隙間に埋め込むような形態のソロばかりしていると、まるっきりオープンな構成で、ソロだけで曲全体をねじ伏せるようなタイプのソロは、彼のアレンジほどは自己表現を完遂できていないように感じられました。
しかし、ジャケットには村田陽一の悪い面が出ていると思う。ナルシストすぎやろ。