- アーティスト: 村田陽一ウィズイヴァン・リンス
- 出版社/メーカー: ewe records
- 発売日: 2010/07/21
- メディア: CD
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これがtwitterの効用か。
知り合いに度を越した村田陽一大ファンがいるので、それに比べると僕自身はそれほどコアなファンとはとても言えないのですが、アレンジャーとしてだけでなく、最近はトロンボニスト、ソリストとしても身近に思えるようにはなってきました。昔は村田氏のやろうとしていることが多分理解できなかったんですけれども、少しは理解できるようになったのだと思います。
ソリッドでありながら暖かみというか太さもある音色。僕はこんな音とても無理なので、ため息がでてしまう。
フレーズのはしばしで、わざとうまく音を割れさせたり、綺麗におさめたり。非常にコントロールされたフレージングだと思います。タンギングにしろ、ベンドとかにしろ、音の装飾の引き出しがめちゃめちゃ多彩だなあということに最近やっと気づきました。
フレーズのスペースの取り方も、まるでベースソロのように巧妙であるし、完全なPlayer一辺倒の人とも違って、バックの演奏に巻き込まれている感じがしないんですよね。ソロのスペースに対し、いろいろな見せ場をうまいこと盛り込んで起承転結を作っているのがよくわかる。
しかし、Youtubeとかに時折アップされる、あまり練りこまれていないライブセッションでは、バーサークしている演奏もあるので、こういったスタジオ録音とライブとでは相当モードを変えて対応しているのでしょう。そういうクレバーさは、昔はさほど目につかなかったんですけれども、いやはや、すごいです。
そしてIvan Lins。まあこの人はいつもとそう変わりません。すごいんですけど、僕的には昔なんかのビデオを見た時に、鍵盤柄のバスタオルをヤザワよろしく首にかけていたのが非常に印象的で…
うん、このアルバム相当面白いし、一回つらっと聴くだけではなく、何度か聴いて味がでてくるような気がします。
つるっとも聴けるんですけどね。これはいわゆるMPBのお家芸でもある。
おそらく村田陽一氏のディスコグラフィーで、このアルバムは、この時期の活動の一端を示す里程標の一作になるのかなあと期待できます。十年後に振り返ってこのアルバムがどういう位置づけになるのかが楽しみです。
でもポピュラリティは得にくいだろうなあ。
もっと売れてもいいと思うし、今回僕が聞く目的ではない、
もっとイージーリスニング的な聞かれ方をしてもいいと思う。