- 作者: 藤原和博,宮台真司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 文庫
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普通は子供に対してあまり書かないような世の中の仕組み(といっても、エログロとかそういうX-ratedな、俗悪なものではなくて、法体系とか)をわかりやすく書いた、という格好の本。
これは、あれだな、きっと村上龍の『13歳のハローワーク』とかが出た後に企画されたものだな、と思ったら、暗に相違してこっちのほうが1998年で、初出は早い。むしろ村上のほうがこちらにインスパイヤされた可能性もあるかもしれない。
宮台氏の本は今までにも割と読んではいるので、その主張の軸が大きくぶれることもなく、さらりと読めた。そういう基本的な概念を元に、臨床問題としてもう少し詳しくトピックを掘り下げたような感じだろうか。
宮台氏が繰り返し語る『成熟した市民社会』モデルは、そういうポストモダニズム時代の中で青春を過ごした私にとっては、きわめて受け入れやすい話ではあるのだが、では今自分が身を置いている医療業界というところは、そういう市民社会モデルでは語り得ない部分が多分にあるので、なかなかその齟齬がもどかしくあったりする。