- 作者: 伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (96件) を見る
http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20060104でも書きましたが、伊丹氏のエッセイが面白いのでもう一冊続きに当たるこれも買ってみた。
うん、確かにおもしろい。
だが、基本的に同じテイストなので、正直飽和してしまった。
景山民夫の『普通の生活』、山本夏彦『お茶の間の正義』、とその後の作品、もしくは一連の原田宗典のエッセイを読んだ時に感じる、「だいたいこの人が言いたいことは把握してしまった感」と同じものを、この二冊目には感じてしまったのだ。正直複雑な心境だ。だってね、一冊だけ読んだら、すんごい面白いんだよ。で、二冊目を読むと微妙、と。
きっと本読みは皆少なからずこういうことは体験していると思うけれど、こういう「一冊目を読んで、さらに二冊目を読んだ時に、殆ど前回の内容と同じであることで存外に落胆してしまった気持ち」ってぴったりの言葉がないんだろうか。
それから、やっぱり語っている姿は鹿賀丈史を想像してしまう。妙な服を着て、もみ手のように両手をくんだり大げさに広げたり、指を立ててみせたりいかにも外人的な身振り手振りで。「さて」といったあと一呼吸おくような。
それからなぜかこの文庫は、全く同じ帯が二枚重ねだったのだよ。
乱丁?と思ったりもしたけれど、その他にも装丁にしおり紐がだまし絵のように印刷されていたりしたので、ひょっとして意図的なのか?としばし悩んだ。多分違うと思うけど。