『憂鬱と官能を育てた学校』(ISBN:4309267807)の続編に位置する本。
- 作者: 菊地成孔,大谷能生
- 出版社/メーカー: メディア総合研究所
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 単行本
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(参考:『憂鬱と官能を育てた学校』以前の感想:http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20061104)
取り扱っている範囲は、『憂鬱と―』よりもより包括的で一般的な話であり、楽理に興味のあまりない人にも、楽しく読めると思う。
菊地成孔は、とにかく饒舌ではある。誤謬を恐れずに比喩を多用、イメージしやすい言葉で説明するので、直感的にな理解をしやすい本である。ものすごいわかりやすい。たとえば、ブルースを「涎をだらだら流しているような非理性」と表現したり、そういうの。
奔放に横溢するパルス。
そういう精神の常として神経症的ではあるが(ファンファンファンファンファンカーゴ!)、強固な論理性の蓄積で精読すべきではなく、日本的な阿吽の呼吸で、つるっと通読するほうがわかりやすい本だ。作者の精神のスピード感にのっかると、えもいわれぬ知的興奮がある。
大友良英とか、有名な(ジャズ以外の)人との対談はかなり示唆に富む話が多かったように思う。
願わくば、講義の時の音源を一緒に売って欲しいところだ。ま、著作権とか、大人の事情も多分あると思うけれども。
『黒人リズム感の秘密』(asin:4873020093)以前の感想http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20070214
唯一残念なところは、『憂鬱と―』と『アルバート・アイラー』で、本の大きさが違うことだ。本棚に並べたときに、美しくないの。