- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: 単行本
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現代文学―という言葉でくくるのはドン・チェリーをフリージャズという言葉でくくる以上に違和感があるが―の高橋源一郎センセイの、大学の講義。
文章の書き方講座、ということになりますが、それ以上の何か。大学の講義という体裁ではありますが、非常に感動的な講義です。 講義に参加した人間の成長の記録、ある種のドキュメンタリー、といってもいいのかもしれない。
むかし『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』という本を読んだ時の読み味ににています。その本は百科事典をAから読んで軽い感想を書いていく、という企画の体裁をとってはいますが、しかし内実は一人の男のビルドゥングス・ロマン、でありました。
>過去記事>http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20060321
この本も、読もうとしたきっかけは 文章の書き方について考えたい、ということだったんですけれども、これっていわば生徒の立場ですよね。購入した時点の動機はそうだったんですが、読み終わったあと思うのは、文章の書き方、ということではなくて、 人にものを教えるのであれば、かくありたい、ということ。これって……むしろセンセイである高橋源一郎の立ち位置だよね。