オススメ度 100点
やばい度 100点
麺の科学 粉が生み出す豊かな食感・香り・うまみ (ブルーバックス)
- 作者: 山田昌治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/07/18
- メディア: 新書
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ちょっと前にネットで話題になったので、僕も買ってみた。
知的好奇心を最大限にぶん回したら、こうなるのか、という快作。
理科の授業だと思って理科実験室に入ったら、でんじろう先生のライブだった、みたいな読後感であった。
ブルーバックスで「麺の科学」という大きなタイトルだったから、麺に関しての総花的な知識を期待していた。
途中から、めちゃくちゃ粉に対するこだわりがでてきて、ん?となってくる。
そして繰り返される執拗な麺の食感に関するこだわりと試行錯誤。
デンプン・粉に対するこだわりが、とにかくすごい。
第4章:「科学の力でめんをおいしく」はすごい。
麺を茹でる時の差し水の効果と温度の検証、素麺を重曹入りの水でゆでると、中華のかん水の代わりになって歯ごたえがかわる。
しかも食感を、材料試験装置を用いて破断試験で「コシ」を定量化したり。
応用で、うどんを茹でる時にしらたきを一緒に茹でると食感が変わる。とか、
即席麺をどのタイミングでかき混ぜるか。とか。
スパゲッティの「アルデンテ」を検証するために、麺の断面をMRIで測定、とか。
麺の「香り」を評価するのに、ガスクロマトグラフィーで成分分析したり。
しかも、第5章では、繰り返した実験で、あかんやつ=NG集を紹介していたり。
なんすかこの本は、ジャッキーチェンの映画ですか。
普通に期待される本の範疇をギリ超えて、クレイジーなほどに面白い。
オーケストラの楽譜に「大砲をぶっぱなせ」とか書いてあるようなもんだ(「1812年」)