- アーティスト: Joe Henderson
- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 2006/08/21
- メディア: CD
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これは、極まっとうな、もう何が受けるのかわかっていない(聴き手も作り手も)頃の60年代ブルーノートの典型的な作品。
どうも最後のNight and Dayをとっかかりにしてしまう傾向がある。オリジナル曲の中に一曲だけスタンダードを入れておくメソッドは、大変購入しやすいし、聴く時にもそれをメルクマールにすることができるので、大変上手い商法だと思うのだが、これを最初にやりだしたのは一体誰なんだろうか。
ところでジョーヘンは、我々の一回り上の世代のジャズミュージシャンに絶大な影響があるような気がする。セッションとかしていて「あっいまジョーヘン降りてきた」と思うような演奏にはちょくちょく出会うわけです。少なくとも自分が触れ合うレベルのミュージシャンに関しては、コルトレーンなどよりもよっぽどジョーヘンの方がよっぽど影響力があるのではないか。アマチュアラッパにマイルスみたいな人が滅多に居ず、ブルーミッチェルみたいな人の方が多いのと同様に。
多分世代的な事情だと僕は想像している。1970年代の終わりから80年代初頭にジャズには大きな空白があった。80年代以降に出てきたミュージシャンは、いわゆるハードバップというフォームを前提としないサウンドを身にまとっているのに対し、ジョーヘンは、フレージングなどは新しいけど、ぎりぎりハードバップの枠内に留まっている最後の世代だから。