半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『記憶の放物線』北上次郎

記憶の放物線 (幻冬舎文庫)

記憶の放物線 (幻冬舎文庫)

 これは、一言でいうとジャケ買いです。

 本を題材にした文なのですが、これは、いわゆる書評とはちょっと違っています。まず、著者や友達の日常出来事の逸話があったりして、それと関連する形で、「そういえばあの小説では……」のような形でさりげなく紹介される。
 本そのものがメインではなく、自分がその本と向き合ってどう感じたか、ということを日常生活を通して語る、これは書評というものではなく、正しく随筆というものだと思いました。

 あまり記憶に残るような強いフレーズを書く人ではありませんが、あわあわとした爽やかな読み味だと思いました。そうですね、文章も、表紙の絵のようなイメージそのままだと思います。

 願わくば私もこういう形で本の紹介をしてみたいものです。