半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『おめでとう』川上弘美

おめでとう (新潮文庫)

おめでとう (新潮文庫)

 川上弘美の短編集。なんとなく統一したテイストがある。
 動けない相方に「川上の本買うてきて〜。ありがとうとかいうやつ」と言われ、広い丸善の文庫コーナーをぐるぐると回るが、見つからず、多分これだろうというこれを買ってきた。やはりこれだった。
以前にも「ニシノユキヒコ」http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20060908 とか、「センセイの鞄」とかhttp://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20051215読んでいましたが、これはもうちょっといろいろな雰囲気がありました。ちょっと荒唐無稽な話とか。

 「ニシノユキヒコ」でも少し感じましたが、ほわんとした筆風で、とてもやわらかい世界なのに、実際の恋愛は、規範の枠組みからずれた恋愛の話しが少し多い様な気もします。ちゃんとしていて上品なのに、反社会的。これは、ワイドショーのレポーター(下品なのに、「正論」を言う)のちょうど逆ですね。