- アーティスト: orange pekoe,Toninho Horta
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2005/12/14
- メディア: CD
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週末、街に出かけたついでに購入。
今回のオレンジペコーは、本人達の言う通り、かなりブラジル色一色。
ギター、かなりきてますね。いいですね。いや、かなりガツンと来ました。
今回のOrange pekoeはちょっとこっちが気恥ずかしくなってしまうほどのまっとうなブラジル風味でありまして(だんだんブラジル純度が高くなっているような気がする)、しかしだからといって僕は志が低いとは思わない。
僕は日本のニューミュージックというのはある種のクレオール文化であると考えていてます。例えば、ドリカムなどはそうしたクレオーリズムを最も顕著に体現したバンドではないかと思う。もともとの日本の歌唱文化にアメリカ音楽をフューズした(いやな言い方をすれば剽窃した)バンド。ドリカムは高いレベルでそれを達成しているから売れるし、しかしそれは当然そのことによってある時には非難の的になる。ドリカムに対する我々のアンビバレンツな感情は、多分そこから来ています。
ドリカムがアメリカをオリジンにしているのに対し、Orange pekoeは、ブラジルをリファレンス元にするという違いはあれど、バンドのあり方としてはドリカムの正当な後継者ではないかと僕は勝手に思っているのであります。同じクレオーリズムの臭いを感じる。この今の日本に住んでいる我々にとっては、真摯に自分たちのルーツを探る作業をした結果行き着いたのがクレオール音楽であっても不思議ではない。そういう世界に僕らは生きているのだから。それは剽窃ではないし、堕落でもないのだ。
ところで、最近、日本の歌手も海外に出て行ったりしても、わりと遜色なく、日本語以外で歌えますよね。英語でさらりと歌うジャズシンガーとか結構いますし、ロックの人も英語の発音いい(悪い人もいるけど、昔と比べれば英語で歌うことに関して深いレベルまで把握出来ている人が増えたように思います)。ブラジル系の音楽でも進出は激しい(小野リサとか、chie'とか)。逆に、日本語を歌う時に、英語っぽく、ブラジルっぽく歌う人も随分増えた。
Orange pekoeの子は、紛れもないブラジリアンテイストの中で詠唱しながらも、歌い方に関しては日本語の軸がぶれない。地に足がついた感じが大変よろしい。姿格好はちんちくりんですが、その歌力(ぢから)は凄いと思った。
それにしても、作品の完成度はかなり高いと思うんですけど、あんまり話題になっていないような気がします。なぜだろう。初回限定版ボーナストラックなんて、トニーニョ・オルタと協演ですよ。涙、涙なんだけどなぁ。是非みんな聴けばいいと思う。ちょっとジャケはアレですけど、あの、みんな買いません?