一言でいうと、ロウワー・エデュケーティッド・ピープルのための法廷ドラマ。
最後の大山場は、古畑任三朗もかくやという。そんなんでええの?
まー、こういうハリウッド映画というのは予定調和で筋立てが進行するので、ゴールラインが映画の冒頭から読めてしまう。逆にいうと、最後に戻ってくる地点が決まっているのだから、それまでに、できるだけ遠くの地点にダッシュして、ダッシュで戻ってくる、別なルールの遊びに見えてしかたがない。ハリウッド映画は。
プロットの陳腐さはともかく、普通にいい話だとは思いましたけれど。あほの子がけなげに頑張るというのにはぐっときますが、実はこの子はアホでもなんでもなくて、ちょっと勉強しただけで検定試験合格したり、むちゃくちゃ賢い。ストリート・クレバーということなんだろう。人を外見で判断したらいかん。
しかし、問「この映画で作者の伝えたかったことは何か。30字以内で答えなさい」の答えそのものを登場人物に(おそらくかぎかっこつきで)語らせる脚本はどうかと思うよ。そういうところがロウワー・エデュケーティッド・ピープル向けだというんだよ。
ちなみに、原題は"Legally Blond"なんですね。確かにこれは表現しにくいけれど、キューティー・ブロンドという改題はどうなんだろうか。アメリカに行くことがあって、向こうの人と話したときに紛らわしいよね。