- 作者: 河野多恵子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/10/07
- メディア: 文庫
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あまたある本の中でなんとはなしにこの本を選んだのはid:hibigenさんのところで紹介されていたのが何となく頭に引っかかっていたのだと思う。
作家が書いた作家になるためのヒント。ですが、河野多恵子さんは、僕があまり読まないジャンルの作家ですので、あまり参考にならなんだ。って、作家にでもなるつもりでもあるまいに、私よ。
結局普遍的な作家になる方法なんてないに違いない。一人の作家が示せるのは自分がいままで歩いてきた道ひとつだけなんだろうと思う。それはなるほど参考になるかもしれないが、普遍的な教訓とまではなかなかいかないように思う。
『文壇』という存在に言及するときになんの衒(てら)いもないさまはあまり好きになれないところ。大正生まれの作家の時代性か。
良いところは、例として挙げた昔の小説。流石に谷崎評論なども書いているだけあって、出典頻度が最も多かったのは谷崎潤一郎だった。『少年』を昔読んで不思議な気分になったことを思い出して、本棚の奥のほうにしまわれているものをひっぱりだして読んだ。