- 作者: 村上春樹,ポール・セロー
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1987/07
- メディア: 単行本
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ええと、図書館で読む。
暑い昼下がり、なんともいえず陰鬱な気持ちになる。
ダウナー系。
それにしても村上春樹氏はこういう現代英米文学のおいしいどころを訳すのが好きですよね。そしてなおかつ読者側も、春樹氏の知名度に引かれて手を出したのがきっかけでフィッツジェラルドとかカーヴァーへ目をむけるきっかけにもなったりしたり、なんつーか、構造としては文学におけるビームスのような、つまりセレクトショップのように思えることがあります。
それはともかく、内容ですが、手を変え品を変えて居心地の悪さとか不愉快さを丹念に書き出してゆく、なおかつ短編でという、ある種「チクチク地獄巡り」のような感じでした。
こんなブログとかで自己愛的文章を書き綴っていることからもわかるとおり、私は現実世界ではデタッチメントに対して過敏な人間ですので、この小説世界のような居心地の悪さは到底他人事とは思えず、悪い意味でも共感しすぎてしまい、読み終わってもしばらく鬱状態から浮かびあがれず。